写真展

鶴崎燃展[海を渡って]が6月23日から新宿ニコンサロンで開催される。
鶴崎さんは1年半ほど前に初めて当会に来られ、この問題を撮りたいのだと言われた。どういう問題意識で撮るのかなど、今となっては失礼なことも多々言ったような気がする。『国に棄てられるということ-「中国残留婦人」はなぜ国を訴えたか』(岩波ブックレット)を読んでいただいたりもした。会の活動のたびに参加され、長野県、中国にも撮りに行かれた。
写真展の内容は「満州国の存在は歴史の教科書で習い、中国残留邦人のことも作者は子供の頃からニュースで知っていた。しかし、中国残留邦人は異国の地となった場所に取り残され、何十年後かにやっとの思いで帰国できた時には、言葉や年齢の事情もあり、いい仕事が見つからない。多くの人が今も生活保護を受けなければ生活できない状況だ。二世、三世の問題もある。
一方で、中国には今やたくさんの日系企業が進出し、多くの日本人が海を渡っている。かつて日本人によって造られた街や建物があちこちに残る満州国の地も例外ではない。
「かつて海を渡った人の今」「今、海を渡った人」
同じ時間に存在するこれらが、どうも繋がって見えない。過去が切り捨てられてきたからではないか。国が積極的にこの問題に取り組んでこなかったため満州国の後遺症は個人に押し付けられている。
過去の経験は共有し、未来へつないでいかなければいつかまた何か別の形で後悔する時が来るのではないだろうか。」とある。
是非ご覧になっていただきたい。
http://www.nikon-image.com/jpn/activity/salon/exhibition/2009/06_shinjyuku-3.htm