憲法学習会

「中国残留邦人問題」から学ぶ〜憲法学習会 
2013年度国立市国分寺市地域生活支援事業 

2014年2月9日(土)、金沢大学の石川多加子准教授をお迎えして開催しました。前日の大雪が残るなか、多くの方が足を運んでくださいました。

自民党が2012年4月に「日本国憲法改正草案」を決定し、最近は集団的自衛権の行使や国家安全保障会議など、憲法「改正」に関係する動きが新聞紙上に出ています。
日本国憲法はそもそも私たちの暮しの中でどういう役割を果たしているのか、そして自民党日本国憲法改正草案が提起している内容はどういうものかを知り、その違いを自分たちで考え判断する根拠を持ちたいと開催しました。

石川さんのお話から、日本国憲法の三大原則「主権在民」「平和主義」「基本的人権の尊重」は互いに関連しあい、日本国憲法全体を通して貫かれていて、私たちの人権、自由、生命を守ることを一番大事なこととして保障しているのだいうことを改めて大切なこととして感じました。

自民党日本国憲法改正草案と日本国憲法の条文を読み合わせ、自民党が何をどう変えようとしているのか、具体的なお話を聞きました。

本来、政権に就く人や公務員など、公権力を持つ人が、その権力によって国民の自由や生命や財産を奪うことのないように憲法遵守義務が課せられているのに、自民党日本国憲法改正草案では、憲法を遵守しなければならないのは国民だとあり、立憲主義の原則を覆すものです。

日本国憲法は三大原則を基本にし、人権は何よりも尊重されますが、憲法改正草案では人権よりも公益や公の秩序、つまり国益を優先するとあります。また、これまで歴史の中で先人たちが努力し積み重ねて獲得した人権という価値を、最高法規の97条で削除していることにも驚きました。

自民党はいろいろな手法を駆使して、憲法「改正」のみならず、実質的憲法「改正」をしようとしているようです。

「中国残留邦人」は戦前、戦中、情報が操作され、言論の自由も奪われる中、国策によりソ連国境沿いの危険な地域などに開拓団として送られ盾のように配置されました。1945年に戦争が終わったことも知らされず、何十年も放置され、中国で暮らさざるを得ませんでした。

私たちの会は、二度と中国残留邦人を生み出すような社会にしないために活動してきています。そのためにはきちんと事実を知り、自分で考え、判断することがとても大切なことです。

何も言えなくなる時代がくるまえに、今、私たち誰にでもできること、憲法の内容をもう一回学習しよう。そしてみんなで議論し、そして何が大切なのかを自分で判断していくこと。それが私たちの平和的生存権を行使する事だと講師の石川さんは話されました。

記録ができましたら、会報「明天」に掲載いたします。